ただいま~♪
これが本当に現実なのか・・・
言葉を探して探して、ようやく探し出した自分の言葉だった。

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北海道の南西端に浮かぶ小さな島。

今から18年前の7月、人々が寝静まった午後10時17分、
この奥尻島に北海道南西沖地震がもたらした大津波が襲った・・・

自分が生まれている時代であることが胸を突く。
まだ当時小学生になったばかりとはいえ、島の津波ことを知らずに生きてきた自分が情けなく、恥じるばかりだったからだ・・・
高さ30mに迫る大津波が時速にして500km/hという計り知れないスピード、
津波は家々をあっという間に飲み込み、人々は逃げるまもなく、
一瞬のうちに200人もの人々が命を落とした過去があったそうだ・・・

驚いたことに自分一人にスタッフの方が付き添い一つ一つ説明を加えてくれた。
津波から逃げまどう恐怖。
津波が過ぎ去っても残された家族の辛さ。
我々が津波の危険と常に隣り合わせであることということ。

もうこの島はおしまいだと思ったそうだ。
そんな一緒に回ってくれたおスタッフの姉さん自身も津波から逃げるために必死で草を握りしめて高台を駆け上ったひとり、口から出てくる話に当時の恐怖感を想像するのは難しくなかった。
言葉を失い、ようやく口から出てきたのが初めにも書いた、
「これが本当に現実なのか・・・」ぐらいだった・・・
目をそむけたくなる現実とはかけ離れた世界。
すっかり気が滅入ってしまうところだが、同時に復興までの軌跡も語る。

島は震災から5年後に完全復興宣言を果たし、これまでも、
言ってしまうとこの先も、島で自分が津波の爪痕を見かけることはなかった。

これだけ打ちのめされながら、皆で力を合わせて立ち上がった、
そんなめげない島の人々を目に思うことは・・・
それは自然の力もすごいが、人々の力もすごいんじゃないだろうか。

東北の被災地に入る前に、この島に来て良かったと思ったのは、
島の姿が、今の東日本大震災の被災地に伝えたい姿でもあったからだ。

旅155日目 「めげない人々」

はしがきが長くなってしまったが、今朝から話していくとする。
今朝はAM6:10に起床。

朝になりテントに打ち付ける雨音も無く、
願いが通じたのか、明け方まで降り続いた雨風も収まってくれていた。
しかし今朝もやはりすっきりとしない雲行きに雨を示唆する予報、
ここ数日続く恵まれない天気に、心を曇らせての起床には変わりなかったが・・・

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 ~奥尻港で朝を迎える~

7時前に島を出航していったフェリーを見届けながら撤収。

フェリーが島を離れれば、港はまた静かな場所へと戻っていった。
散歩に来た方やフェリーの職員さんなどいろんな方と話をするが、変な場所でキャンプした自分にみな嫌な顔ひとつするどころか、逆に心配してくれたほどだ。
すみませんでした・・・。そんな島の優しさに胸のつかえが下りた気がする。
ちなみにこの島は熊はいないそうだから安心だという。

その後、受付の窓口すら閉められ閑散としたターミナルでひとりのんびり。
観光案内所で島のパンフレットを手に、昨夜買っておいたセイコーマートのクルミパンを食べながら今日の予定を考えた。
ちなみに次のフェリーはお昼までなく1日2便、
そんなこともあり帰りの船の時間をしっかり確認しておくことに。

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 ~うにまる君 待合室にあった島のマスコット♪~

本当に小さな島だ・・・

島は周囲65kmほどと、がんばれば一日で回れてしまう。
しかしここでがんばっても仕方がないので、
ここはのんびり島を楽しむためにも2日間に分けて一周する事にしようと思う♪
道道のみが延びる地図さえ不要と思えるさらりと回れてしまいそうな島だが、
北部は峠が辛そうな道のりに加え、唯一道道が途切れたダートのポイントが気がかりであった・・・

”道道”の文字に初めは首をかしげてしまったが、
北海道なので県道ではなく道道となるらしい。
そんな浮ついて聞こえる道道39号線を南下、島を時計回りにスタートさせた。
佐渡島以来の久々の島旅にもうわくわくだ♪

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 ~道道39号線~

堂々と掲げられた3500日間無事故達成を記念する標識に、何年分かを考えた・・・

それにしても、ほんと平和な島なんだなと思う♪
そんな島の誇りを自分が途絶えさせてしまわないようにか、
おのずとハンドルを握る手が引き締まる思いがしたのは気のせいではないだろう。


さっそく見えてきたのが島いちばんの観光名所?かな、昨夜も見物した鍋釣岩。

そのめずらしい姿に島のシンボルとして愛されている。
自然にできたものとは思えないほどきれいな穴がぽっかり空いているが、
長い歳月をかけて波の浸食を受けた結果、こうなったそうだ。
その名の通り鍋の取っ手のような姿から名が付いたという。

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 ~鍋釣岩~

昨夜の真っ暗な海に浮かび上がるライトアップされた姿も良かったが、こうしてきれいなアーチに再び魅せられるばかり♪
ちなみに高さは20mほどとけっこう大きく、また簡単に泳いで行けてしまえそうな距離にある。


続いてうにまる公園へと、ハァハァゼイゼイ・・・

肩で息させながら坂道を必死に駆け上がる羽目になってしまったがなんとか到着。
距離は大したこと無いのだが、なんせ勾配がキツすぎた・・・!(> <)/
そんな坂を前にしたときは諦めさえ頭をよぎったが、島に来たならまずココ!って感じでパンフレットには載せてある。
特に何かがあるといった場所ではないのだが、先ほどまでいた奥尻港を見下ろす丘にはモニュメント、そして島の思いが詰まったタイムカプセルが置かれてあった。

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 ~うにまる~

ちなみに昨夜は真っ暗な中ここまで来てキャンプする勇気がなかったところだ。

少し眠気がさし、ちょうどいいベンチもあったことで少しお昼寝タイム♪
狭いベンチに腕をぶらりとさせ、そう深く眠ることはないだろうと安心して寝ていたのだが、なんと!、目を覚ますと時計の針は10時を回るではないか!
ちょっとのつもりが1時間もベンチで横になってしまい、
ポツポツ顔に当たる小雨で目が覚めれば慌てて出発、奥尻島の散策を再開させた。

しかし今日の予定は距離にして30kmほど、ここからちょうど島の裏手に位置する北追岬のキャンプ場まで行ければそれでいいと思っているので心持ちは余裕だ♪
3500日無事故の理由が分かるほど車はほとんど目にすることはなく、島のゆったりとした空気、ひとり時間が止まったかのような静かな道をゆく。

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ところで、この島の名物はウニらしい♪

せっかくなんで、どこかでちょっと食べたいなと思っている。
といっても、もちろん値段次第だ。(笑)
などと考えつつ島を走っていれば、なんと路肩にコロコロ・・・
なんと!、そんなウニの殻があちこちに転がっているではないか!!
島の子供たちのいたずらなのだろうか・・・!?
まさかと思い、試しに海を覗くも曇り空が写りよく分からなかったが、
なんだか簡単に採れていまいそうな様子だ。
まぁ、採ったところでどうやって食べればいいのだろうか。(笑)

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あっという間に島の南端に到着、とともに突然の大雨に慌てて先へ!
辺り一面芝できれいに整備された岬にただひとつ、美術館を思わせるモダンな建物へと急いだ。

そう、冒頭にも書いた奥尻津波館だ。
入館料が500円は予想外だったが、島の過去を知るためにも入ることにする。
むしろ、これがメインで島に来たようなものだった。

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館内は光と影が印象的な雰囲気だった。
映像ホールまで用意され、驚いたことに館内を丁寧に案内してくれた。
そんなスタッフのお姉さんも津波から逃げるため必死で丘を駆け上がったひとり。
「これが本当に現実なのか・・・」
お姉さんに返す言葉が見つからない中、ようやく生まれた自分の言葉だった。

特に自分が生まれている時代であることが胸を突く。
まだ当時小学生になったばかりとはいえ、島の津波ことを知らずに生きてきた自分が情けなく、恥じるばかりだった・・・

胸が熱くなる思いで見ていったが、光もあった。

島は震災から5年後に完全復興宣言をし、これまでも、そして言ってしまうとこの先も一周した島で自分が津波の爪痕を見かけることはなかった。
これだけ打ちのめされながら、皆で力を合わせて立ち上がった姿なのだろう。
そんなめげない島の人々を目に思う・・・
自然の力もすごいが、人々の力もすごいんじゃないだろうか。
そんな復興までの軌跡もこの津波館では語っていた。

東北の被災地に入る前に、この島に来て良かったと思ったのは、
島の姿が、今の東日本大震災の被災地に伝えたい姿でもあったからだ。

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 ~慰霊碑「時空翔」~

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 ~青苗岬~

津波がくる前は家々が肩を寄せて立ち並んでいたという青苗地区を歩き、
そして慰霊碑に手を合わせてここを後に。
ここに建てられていた家々は今では津波の届かない高台へと移っていた。

残されたこの地はもともと何にもなかったんじゃないかと思ってしまうほど、
今では一面の芝の公園に奥尻津波館のみが建つ、きれいな青苗岬であった。
そのきれいさに、さみしさを感じた。

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 ~北追岬でキャンプ場~

その後、島をちょうど半周した北追岬でキャンプとなった。


8月16日 おしまい。


走行時間 3:55[h]
走行距離 43.9[km]
平均速度 11.1[km/h]
最高速度 33.8[km/h]

積算走行距離 6979.2[km]

天候:曇り時々雨
体調:良好

キャンプ地:北追岬でキャンプ場(北海道奥尻郡奥尻町)



[あとがき]
9月16日、槍ヶ岳登山を無事に終え松本市街地に戻ってきました♪
北アルプス15座制覇までもう少しです!

それにしても、この先自分は富士山へと登れるのだろうか・・・


なにかお勧めの情報、場所でもあればメールください♪
yaku@docomo.ne.jp

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[2012/09/16 17:32] | 北海道(奥尻島)
トラックバック:(0) |

そうなんだ
風ささき
当時の、映像で津波の被害は見たけど、その後
は報道されなかったので。
日本海側は、うにだね。
道道いいでしょ、自分も行くと道道を繋いで走るよ
うにしているよ。
地元の人の道だよね。
こうなったら15座完全制覇に向けて気をつけて登ってくださいね。
山の神に守られますように。
信州も秋の入り口だね、新蕎麦も、もうすぐ食べれるのかな。
明日もいい旅を。

あれ?
ぱんら
久しぶりに覗きにきたら奥尻島??一瞬タイムスリップしたかと思っちゃったよ。記憶が薄れる前に抜けてた分アップは良いねえ。今回もたっぷり読み応えありました。

無事に槍ケ岳登頂したみたいでよかったねえ。富士山っていつまで登山可能なん?無理せず北アルプス楽しんできてね。ちなみに自転車日本一周の方もよろしく!!(←嫌味ちゃうって。ちょっと心配なだけ。)




コメントありがとうございます♪
サトシ
風ささき さんへ

東北の被災地も復興宣言ができる日が来るはず。
規模は違うかもしれないけど、時間をかけて元通りの街並みに戻ってくれる日が必ず来るはずです。
その時にまた、東北の被災地を巡ってみたいですね。


ぱんら さんへ

突然、北海道ですからね、ワープしたように思われてしまって。(笑)
やはり北海道に一番楽しかった思い出が数多くあり、なかなか投稿できずに悔しかったので。
北アルプスを登り終えれば現在地を簡単に下書きに投稿していき、昔の記事から詳しく書いていこうと思っていますよ!
また見に来てください♪

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この記事へのコメント:
そうなんだ
当時の、映像で津波の被害は見たけど、その後
は報道されなかったので。
日本海側は、うにだね。
道道いいでしょ、自分も行くと道道を繋いで走るよ
うにしているよ。
地元の人の道だよね。
こうなったら15座完全制覇に向けて気をつけて登ってくださいね。
山の神に守られますように。
信州も秋の入り口だね、新蕎麦も、もうすぐ食べれるのかな。
明日もいい旅を。
2012/09/16(Sun) 21:48 | URL  | 風ささき #AqmfRd.w[ 編集]
あれ?
久しぶりに覗きにきたら奥尻島??一瞬タイムスリップしたかと思っちゃったよ。記憶が薄れる前に抜けてた分アップは良いねえ。今回もたっぷり読み応えありました。

無事に槍ケ岳登頂したみたいでよかったねえ。富士山っていつまで登山可能なん?無理せず北アルプス楽しんできてね。ちなみに自転車日本一周の方もよろしく!!(←嫌味ちゃうって。ちょっと心配なだけ。)


2012/09/17(Mon) 06:22 | URL  | ぱんら #-[ 編集]
コメントありがとうございます♪
風ささき さんへ

東北の被災地も復興宣言ができる日が来るはず。
規模は違うかもしれないけど、時間をかけて元通りの街並みに戻ってくれる日が必ず来るはずです。
その時にまた、東北の被災地を巡ってみたいですね。


ぱんら さんへ

突然、北海道ですからね、ワープしたように思われてしまって。(笑)
やはり北海道に一番楽しかった思い出が数多くあり、なかなか投稿できずに悔しかったので。
北アルプスを登り終えれば現在地を簡単に下書きに投稿していき、昔の記事から詳しく書いていこうと思っていますよ!
また見に来てください♪
2012/09/19(Wed) 07:26 | URL  | サトシ #-[ 編集]
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