ただいま~♪
時の無いような場所を歩いていた気がした・・・。
それぐらいに何もない道だったから、どこ歩いているのかわからなかったし、
きっと行き交う車からは、どうしてそんな苦労をあえてしているのか疑問に思われていることだろう、車が通り過ぎてはそんなことを思った。
なんでこんな苦労しているのだろうかと自分でも分からないほどだからだ。

119@DSC00228.jpg

何もない道のりを歩く自分の背中を時折走り去る車から見られていると思うと、
快調に走り去っていく車の背中を見つめては、ひとり勝手に切なさを感じ、
なんだかこの地に一人、取り残されたかのような孤独な感覚に不安とともに遠く見えている室戸岬の地をたぐり寄せるように見つめながら歩いていた。
何にもないと不安になってしまうのは、都会で育った者の弱さだろうか。
  
空海は何を思ってこの道を歩いていたのだろうか、
空海だけに空と海のみ、なんて思っていたのかもしれない・・・。

旅677日目 「空海の道」

7時過ぎに起床。

2日間お世話になった善根宿を後とし、今朝は山下さんに一昨日迎えに来てもらった道の駅まで再び車で送り届けてもらった。
どうだったと聞かれ、正直言うと、ゆっくりできたというよりも忙しかった。
しかし、そんな忙しい田舎暮らしならではが思い出深いものとなったのだろう、
都会で生まれ都会で育ってきた根っからの都会好きの自分であるが、自然の中で生活する魅力というものに、普段では経験できない生活ができてとても楽しかったし、薪割から始まった五右衛門風呂は、これがきっと最初で最後の経験となるんじゃないだろうかと思う。
オーナーの山下さん、ありがとうございました♪

119@DSC00159.jpg善根宿のオーナーの山下さんと。

それまでアラームぐらいにしか役に立たなかったスマートフォンであったが、
ようやく圏内となったいま、2日間音信不通にしてしまった母にメールを送る。

お遍路の旅へと戻ってきた我々2人だが、日和佐からここまで4日間共にしてきた木田さんとはここでいちど別れ、明後日にでもまた打ち合うこととなった。
木田さんはお遍路さんの無料善根宿に今夜は泊ることにするという。
もちろん屋根の下で布団の中、しかも無料なら嬉しいに越したことはないのだが、それがまた10kmにも満たない隣町である。
さすがにそんな調子では室戸にいつまでもたどり着けそうにないため、自分はその宿を通り越して少しでも先へと歩くことにしたからだ。
自転車の彼ならすぐに追いつくことだろう、ならば歩きの自分がゆっくりしていては2人いつまで経っても高知へとたどり着かないだろうし、そういったわけで少しばかりの別行動となった。
自分は24km先の佐喜浜の町を目指すことにして出発、しばらく道の駅でのんびりしていると言う木田さんに見送られ、ひとり歩き出したのは9時を回るころだ。

119@DSC00149.jpg晴天の青空のもと、海岸線に延びる国道55号線を進んだ♪

119@DSC00155.jpg歩きだして間もなく高知県に突入♪

長い水床トンネルの闇を抜ければ高知県であった。

高知に入ってからポンカン畑に直売所が道の両脇、あちらこちらに見られ、
そんな直売所を通りかかったときに掃除していたおばちゃんにポンカンを頂いた。
これでもかと次々に渡してくれるので、3つで遠慮したほどだ。^^;
ポンカンたくさんあるな~、なんて目で見ていただけにとっても嬉しい♪
どこの店前にもポンカンでいっぱいとなったかごが山積みにされ、今がまさに旬であるという。
見た目は普通のミカンと変わりないのだが、皮をむいただけで風味豊かな香りがあたりに広がり、甘くておいしくそばの東屋であっという間に2つも食べてしまったほどだ。

119@DSC00187.jpg頂いたポンカンを東屋の下で♪

119@DSC00173.jpgポンカンマン

そんな東洋町はポンカンにサーフィンの里らしく、
カントリーサインにもポンカンがサーフボードに乗っている。

夏にはきっと多くのサーフィンする方々で賑わうんだろう、そう思いながら海を見下ろすと、この寒い時期でも大勢の方がサーフィンをしていた。
この寒い1月だというのに、それもすごい数!!
ざっと見るだけでも50人はいるだろうか、サーフィンにシーズンは無いようだ。
海では全身を覆うウエットスーツ姿で大勢の方が波乗りを楽しんでいた。
きっといい波が来るのだろう、この東洋町は毎年世界大会も行われるサーフィンの聖地とあるし、サーフィンボードが並ぶ宿にお店など町は南国的な雰囲気がでてきた。

119@DSC00159 (2)接待小屋でちょっと休憩に。

119@DSC00163.jpg充電器まで置かれているところで、いつも電源に悩まされているというのに、
今朝フル充電して宿を出てきたこんな時に限ってなんて思ってしまう・・・。^^;


119@DSC00164.jpg東洋町

東洋町を過ぎると、集落どころか民家ひとつ現れない何もない道が続いた。

ここからが冒頭にでも述べたように、辛い道のり!!(> <)/
なんにもないのだ!!
きっと自転車であれば、アップダウンもほとんどない道のりにスイスイと、
むしろ快適なシーサイドラインであったことだろうが、ひたすら左手には無限に広がる太平洋の海、右手には迫る山々、そんな国道55号線土佐浜街道を果てしない思いで歩いていた。
4日前に経った薬王寺に次の室戸岬にある最御崎寺まで40kmと、
ちょうどこのあたりが寺同士の中間地点である看板があった。
40kmというと、貧弱な自分が今日と明日、頑張って歩けばなんとか最御崎寺にたどり着けるだろうかといった具合だ。
歩き遍路にとって、歩いても歩いても次のお寺にたどり着かない長丁場のきつい場所と言われる区間のまっただ中にいる息苦しさがあった。
そしてなにより辛く感じたのが特に観光するような見どころがなかったことである。
ここ最近もそうだが、お寺以外、とくに寄るところがない。
そうなるとこの日もただ黙々とひたすら歩く時間が続くわけで、こうしてずっ~と海岸線に延びる55号線なのだが、海岸線とあってよくその先まで見渡せるのも、良くも悪くも、遙か先までこれから進む道が見えているのは、これほどまでに辛いものなのかと絶句するばかり!!
次の札所のある室戸岬は見えていて、海に浮かぶように連なる山々の薄くくすむ先端、そんなかろうじで目に映るところがそうであり、歩いている自分を空高くから見下ろしているような、そんなどこか心が飛んで行ってしまったかのように気が遠くなりながら、たぐり寄せるように岬を見つめながら歩いていた。
見つめる先には遥か先まで続く進むべき道のり、振り返ればこれまで歩いてきた同じくはるかに続く道のり、そんな単調な景色の中は、時の無いような場所を歩いていた気がした・・・。

しかし、そんな道中によく声をかけてもらっている。
その多くが親切にも車に乗っていくかであったが、嬉しくもあり、また毎回断るのが辛くもある。
「室戸までまだまだ遠いけど、大丈夫!?」と自分を心配して声をかけてくれるかたばかりだった。
今日と明日をいくら歩こうとももたどり着けそうにない次の札所までの距離に加え、徐々に一歩いっぽが重たくなるばかりの足取りに乗りたかった・・・。
車に乗ってしまえば楽になる一方で、自分の足で歩くのをこのお遍路の一つの目標とし自転車を一番札所に置いて歩いてきた過去の自分すべてを壊してしまうわけで、すべてのお寺を歩いてつなげたい、分かっているようでそんな自分で決めた思いすら自分に言い聞かせるのも大変なぐらい、つらいこの日は思わず乗ってしまいそうであった・・・。

119@DSC00201.jpg

119@DSC00210.jpg

119@DSC00220.jpg

119@DSC00221.jpg

お遍路さんの東屋をいくつか見かけ休憩に。
その度ごとにザックが食い込む肩を休めた。
再びサックを背負い上げるときは毎度、重量挙げ競技をしているようで、
あまりの重たさに地面からそのまま背負うことが出来ず、毎回ガードレールか何かの上にザックを乗せてから背負っている。
砂袋のように重い米は失敗だなと思った・・・。(> <)/
腰を下ろせそうな場所を見かけるごとに必ずといっていいほど休憩をしてしまうため、そんな休憩ばかりの時間がもったいないなと、この日から5分なりとも僅かな休憩時間に本を手にしている。
読んでいるものは自分と同じく歩いてお遍路をする旅エッセイで、これまでなかなか読む時間がなければカバンの底でずっと埋もれていたものだ。
”歩き”遍路ならではの共感するものに、またそんな小説を読みながら、自分が今まさに歩いている場所を読めばこれがもう、うなずくように、これほどおもしろいものはなかった♪
やはり、みんなこの道には苦労しているようであった・・・。^^;

119@DSC00189.jpg閉店され廃墟となったガソリンスタンドでライ麦パンを食べた。
    今朝、食料を気にする自分に善根宿の山下さんがくれたものだ。


119@DSC00214.jpg右手には落石が怖い迫りくる山、左手にはコロコロ海岸を横目に歩く。

119@DSC00231.jpgコロコロ海岸というのはピンポン球から漬け物石ほどの大きさの丸い石が、
  波に転がされ”コロコロ”と音を立てることからそういう名前が付いたとあった。


この日は波が弱いのか、そのような音はしなかったが、見下ろすコロコロ海岸には転がって角が取れた証拠である河原にあるような丸っこい石ばかりだった。
それまでの徳島ではウミガメの産卵しにくるきれいな砂浜ばかりであったのだが、高知に入ってからはこのような石の海岸ばかりとなった気がする。

119@DSC00236.jpg

119@DSC00233.jpg

この日は結局、目標としていた佐喜浜まで歩くことは出来なかった。
夕闇が迫る午後4時、ようやく法海上人堂という小さなお寺にやってくる。

佐喜浜までまだその距離10km程も残すため今の足取りを考えると日没までにたどり着けそうにないし、この先途中でキャンプできる場所があるようには思えないほど、ずっと民家もない海岸線の道が続くばかりだ。
国道沿いの山の急斜面に建てられた小さなお寺なのだが、ここならトイレに水場(といっても小さな沢)があるため自炊ができそうであった。
安全をとって、今日はここまでにすることとした。
夕飯にパスタをゆで上げ夕飯を澄ました後は、日没前にはテントに横になってしまっている。


1月19日 おしまい。

移動歩数 17363歩
移動距離 およそ17km

天候:晴れ
体調:良好

キャンプ地:法海上人堂


[あとがき]
4月12日、現在は香川県観音市街地です♪
七十番札所を打ち終えたところです!

なにかお勧めの情報、場所でもあればメールください♪
yaku@docomo.ne.jp


旅全記事リスト http://teriyaki830.blog.fc2.com/archives.html

読んでくれてありがとうございます♪
クリックしてもらえるとうれしかな・・・。

にほんブログ村 旅行ブログ 日本一周へ
スポンサーサイト

[2013/04/12 09:49] | 高知
トラックバック:(0) |

管理人のみ閲覧できます
-


負けない心
風ささき
弱い自分と向き合いながら歩き続ける。
右に習えで流されていけば、ごく普通の生活を手
に入れれることが出来る。
あえて、人と同じ道は歩かない。
それが宿命かもしれない。
日々の暮らしのなかでも、しんどい辛いときはやっ
てくる。
精一杯やってみても出来ない、それが自分の限界であり、それ以上続けると致命傷になること。
弱い自分を自覚し、強い心で丁寧にひとつひとつ
確認し選んでいく。
歩く旅、今のサトシくんの生き様そのもの。
明日もいい旅を。


tama
いやだに温泉で一休みだね。


管理人のみ閲覧できます
-


文豪サトシ
ぱんら
久しぶりに出た!
最初の一行、時の無いような場所を歩いているような気がした。。。
なんか詩的で好きだな。

先の見えない道を歩き続ける苦しさがよくわかるよ。でも一歩一歩ゴールには近づいているんだよね。車で送ってあげようという申し出をキッチリ断るサトシ君はエライ!!なんか清々しい感じがする。さっ!ぱんらも明日一歩前に進むぞ。いつも元気をありがとね。

コメント:を閉じる▲
コメント:
この記事へのコメント:
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013/04/12(Fri) 17:38 |   |  #[ 編集]
負けない心
弱い自分と向き合いながら歩き続ける。
右に習えで流されていけば、ごく普通の生活を手
に入れれることが出来る。
あえて、人と同じ道は歩かない。
それが宿命かもしれない。
日々の暮らしのなかでも、しんどい辛いときはやっ
てくる。
精一杯やってみても出来ない、それが自分の限界であり、それ以上続けると致命傷になること。
弱い自分を自覚し、強い心で丁寧にひとつひとつ
確認し選んでいく。
歩く旅、今のサトシくんの生き様そのもの。
明日もいい旅を。
2013/04/13(Sat) 01:32 | URL  | 風ささき #-[ 編集]
いやだに温泉で一休みだね。
2013/04/13(Sat) 01:56 | URL  | tama #YO0SOS4.[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013/04/13(Sat) 02:09 |   |  #[ 編集]
文豪サトシ
久しぶりに出た!
最初の一行、時の無いような場所を歩いているような気がした。。。
なんか詩的で好きだな。

先の見えない道を歩き続ける苦しさがよくわかるよ。でも一歩一歩ゴールには近づいているんだよね。車で送ってあげようという申し出をキッチリ断るサトシ君はエライ!!なんか清々しい感じがする。さっ!ぱんらも明日一歩前に進むぞ。いつも元気をありがとね。
2013/04/13(Sat) 11:07 | URL  | ぱんら #-[ 編集]
コメント:を投稿
URL:

パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック:
この記事のトラックバック URL
この記事へのトラックバック: